「がんばれ!女子サッカー」 /岩波アクティブ新書
著者:大住良之,大原智子
アテネ五輪出場を前に、女子サッカーの歴史と現状を説明し、盛り上げようという”タイムリー”な本ながら、事実を正確に記し、持ち上げるだけでなく暗部についても記述されている。
やはり女子サッカー(女子スポーツ)の歴史は差別との戦いであり、サッカーの母国イングランドのFAが女子を正式に傘下に置いたのもつい最近のことで、一時期はわざとグラウンドを貸さないなどの嫌がらせがあったとか。
国内でも”なでしこJAPAN”の活躍で認知は高まったものの、親会社の撤退による廃部、選手の就労などの経済問題、中学高校年代の選手の少なさなど、まだまだ道は険しい。
L1/L2の国内チーム紹介などもあり、女子サッカーについて知りたければ、まずこの本をガイドとして読むといいかもしれない。
序章
東京・国立競技場は満員ではなかった。しかし青いサポーターたちは二〇〇二年ワールドカップ以降のどんなゲームにも増してパワーにあふれていた。そしてピッチ上の選手たちも、全員がもてる力を出しつくし、チームが完全にひとつになって戦った。気温十四度、冷たい風が吹く夜だったが、国立競技場はまさに燃え上がっていた。
こんなすごいサッカーの試合を見るのは、いつ以来のことだろうか。サポーターがチームを奮い立たせ、チームの奮闘がサポーターを勇気付けた。もう、恐れるものなど何もなかった。
1ページ目のこれでぐっ・・・と来ます・・・。