旅の終わりの音楽 〔上/下〕 /新潮文庫
"Psalm at Journey's End"
著:エリック・フォスネス・ハンセン (Hansen,Erik Fosnes)
氷山との衝突事故で沈んだ豪華客船タイタニック号の船上で、客の興奮を鎮めようと最後の最後まで演奏し続けたバンドがいた、という実話があり、実際に映画「タイタニック」でもクライマックスシーンにそのエピソードが出てくる。
この小説は、最初そのバンドについて記述したノンフィクションなのかと思ったら、そうではなく、その実話をベースに話を膨らませたフィクションで、バンドの各メンバーの子供の頃から今に至るまでの成長や挫折を描いたものだった(タイタニック号の航行記録やバンドマン以外の乗員などについては事実を使用している)。 ノンフィクションかと思ったのでちょいがっかり。
詩的な表現や夢や空想の記述、心象風景や神秘的な風景の記述が多く、表現方法も独特というか、途中から作者の登場人物へに対する呼びかけが入ってたりする。 上下巻で読むの大変だった。